日本のお酒を象徴するものといえば、日本酒。海外では「sake」または「rice wine」とも称されるお酒です。もちろん最も有名なのは日本酒ですが、古くから多くの人々に愛され、今もなお日本酒と同じくらい厚い支持を集めるのが日本の焼酎と梅酒です。
梅酒の材料はシンプルなので、5~6月にかけてスーパーなどでも手軽に手に入り、家庭でも作りやすいため、ぜひオリジナルの梅酒を作ってみてください。
アルコールと糖分に漬けた梅の実は徐々に熟し、時間が経てば経つほど梅酒の風味が強まっていく。約3か月ほどの淡い味わいを好む人もいれば、より長期間熟成させたものを好む人もいます。
梅酒の作り方は、ホワイトリカーを使用するのが一般的ですが、ブランデーや泡盛、ワイン、角砂糖の代わりに上白糖や黒糖にするなど様々なレシピがあります。
※ただし、アルコール度数が20度未満の酒類で作るのは酒税法で禁止されているため、作る際は注意しましょう!
お酒が飲めない人は、梅シロップを作って炭酸などで割るのもオススメです。
今回はお子様と手軽に作れる梅シロップと梅酒レシピを紹介します。
梅シロップと梅酒の作り方
下ごしらえ
材料
<基本の材料>
青梅
爪楊枝または竹串
キッチンペーパーまたは布巾
保存容器
準備
① 保存容器は長期間保存できる瓶で、サイズは、梅の量の4倍程度を目安に選びましょう。(1kgの梅酒を漬ける場合は、4L前後の容器が良いです)
② 瓶を煮沸消毒してしっかり乾かします。
③ 容器が大きくて煮沸消毒が難しい場合は、アルコールスプレーなどで内側をしっかり消毒しましょう。この時、蓋の内側もしっかり消毒することを忘れずに!
④ 次に梅を優しく水洗いします。表面に傷などをつけないように優しく洗うのがコツです。
⑤ 竹串または爪楊枝で梅のヘタをくり抜きます。(ヘタが残ったままでも味に影響はありませんが、飲んだ時に口当たりが悪くなるため、少々手間はかかりますが)
⑥ 梅を傷つけないように乾いた清潔な布巾やキッチンペーパーで優しく水分をしっかり拭き取ったらフリーザーバッグ等の保存袋に重ならないように並べて入れ、冷凍庫で24時間以上凍らせます。
※凍らすことでエキスが出やすくなり、特に梅シロップの場合は仕上がりが早くなる上に、発酵しにくくなるというメリットがあります。
青梅の選び方
青梅は、みずみずしく濃い緑色で、丸みがあるふっくらとした形で皮にシワがないハリツヤがあって、実が硬い「未熟な」ものが良品です。品種によって赤みがあるものもあります。また、鮮度が命なので、買ったらすぐに漬けましょう。
梅の種類
南高(なんこう)
皮が薄く軟らかく、芳醇で桃のようなまろやかな香りが楽しめることや、酸味や渋味が少ないため、クセの少ない甘くて濃厚な梅酒ができるとされ、今も変わらず一番人気の品種です。
白加賀(しろかが)
実の大きさに対して種が小さく果肉がたっぷりで、濃厚な南高に比べて爽やかな味わいが特徴の品種で、ジューシーでさっぱりした仕上がりが好みの人にオススメです。
鴬宿(おうしゅく)
青々とした実と硬い果肉、すっぱさの強いさわやかな味わいのエキスがつまった梅で、梅酒以外にもその食感からカリカリ漬けにされることもあるようです。
豊後(ぶんご)
アンズとの交配種で、超大粒の果実とほどよい甘酸っぱさが魅力の品種で、酸味が少ない梅酒が好みの人にオススメです。
ここまでは梅シロップも梅酒作り、一緒です。
今回は青梅を紹介していますが、完熟梅で作っても勿論美味しいです。
一般的に完熟梅は、甘くまろやかな口当たりで、酸味はそれほど感じないため、梅酒よりも梅ジュースや梅シロップにする方が向いているそうですが、甘めの梅酒が好みの方は完熟梅でも作ってみて飲み比べしてみてはいかがでしょう。
お酒の選び方
お酒の種類ですが、基本は無味無臭のホワイトリカー(甲類焼酎)で作ると、梅の味が引き出しやすく、お酒の味が邪魔をしません。
ですが、無味無臭のホワイトリカーは梅(素材)の味が重要になって逆に難易度が高いのではと私は思います。
そこでオススメなのがブランデーで作る梅酒です。
ブランデーを普段飲まなくてどのブランデーを選んだらよいか分からない場合は、チョーヤが販売している果実酒用のブランデーがあるのでそちらがオススメです。
チョーヤ ブランデー VO 37% 果実の酒用 1800ml
他にも、サントリーが販売しているフルーティーな香りと味わいが特徴の製菓向けブランデーも、すでにバランスのとれたコクとしっかりとした甘味があってオススメです。
サントリー ブランデーV.O 4000ml
砂糖の選び方
上白糖はクセがなくて扱いやすく、価格も手頃です。氷砂糖は最も純度が高く、大きな結晶なのでゆっくりと溶け、梅などにシワが寄らず、美味しく仕上がります。
グラニュー糖も純度の高い砂糖ですが、比較的早く溶けます。三温糖は加熱によって茶色みがかり、わずかにカラメルのような風味があります。黒糖はさとうきびのしぼり汁を煮詰めたもので、独特の風味で、最も素朴な味わいです。
果実酒には氷砂糖が最適、果実酢やシロップには上白糖を使うのが一般的です。レシピで砂糖と記載している場合は、上白糖かグラニュー糖がオススメです。好みで三温糖や黒糖を使ってもよいでしょう。
ハチミツは、天然の甘味料として味わい深く、香りのよさと酵素やポリフェノールを含む健康効果で人気です。砂糖をハチミツに置き換えるなら、砂糖100gをハチミツ100ml(140g)にしましょう。
梅酒の作り方
<基本の材料>
青梅(下処理済み)・・・1kg
角砂糖・・・・・・・・・700g
ホワイトリカー・・・・・1.8L
⑦ 瓶に青梅と氷砂糖を交互に入れ、材料を全て入れたらホワイトリカーを静かに注ぎます。
⑧ 蓋をしっかり閉めて密閉し、冷暗所で保存します。3ヶ月ほどで風味が出て飲むことができますが、そのまま長期間寝かせておくと、さらに味わいに深みが増し、まろやかに熟成するため、いつ作ったか分かるようにラベルを貼っておくことをオススメします。また、配合なども書いておくと好みの配合を見つけるのに便利です。
⑨ 保存中は、沈殿しがちな糖分が均一に混ざるように、時々瓶を回してあげましょう。
完成!
ちなみに、上白糖、蜂蜜、黒糖、果糖でも作れますが、一般的に角砂糖を使うのは、ゆっくり溶けるからです。
長時間かけて梅から美味しさを引き出す梅酒には、同様にゆっくり溶けて甘みが梅の味となじむ氷砂糖が適しているのです。
次に、オススメの梅酒アレンジを紹介します。
梅酒アレンジ
1番オススメなのが先程紹介したブランデーで作る梅酒です。
<ブランデー梅酒の材料>
青梅・・・・・300g
氷砂糖・・・・150g
ブランデー・・500ml
次にオススメなのがワインで作る梅酒です。
ただし、ワインはアルコール20度以下のものが多いので、アルコール度数の高いポートワインがオススメです。
<ワイン梅酒の材料>
青梅・・・・・・300g
氷砂糖・・・・・150g
ポートワイン・・500ml
次はノンアルコールの梅シロップの作り方は紹介します。
梅シロップの作り方
<梅シロップの材料>
青梅・・・・・・・1kg
グラニュー糖・・・800g
酢・・・・・・・・1/4カップ
① 凍らせた青梅とグラニュー糖を少しずつ交互に入れ、酢を注ぎいれます。
② 1日1回、瓶を揺すって混ぜながら、約2週間冷暗所に置きます。
③ 砂糖が溶けて、梅が隠れるくらいまで水分が上がってきたら完成です。
梅酒を作る時は、角砂糖が良いと紹介しましたが、梅シロップの場合は、普通の砂糖でも十分美味しいものが作れます。
また、普通の砂糖で作った方が早く飲めるというメリットもあります。
ただし、砂糖溶液との浸透圧で梅のエキスを出しているので、純度の高い砂糖で作るのがオススメです。きび砂糖や黒砂糖、はちみつなど、純度の低いものだと上手くいかないことをあるので注意しましょう。
梅酒と違って約2週間で梅のエキスが砂糖に溶け出し、そのまま梅を入れておくと発酵し、美味しさが半減するので、梅の実は早めに取り出しましょう。取り出した実は冷蔵庫で2週間、冷凍庫で1〜2ヶ月間保存が可能です。
採れたて新鮮なウメ
ウメは、バラ科・サクラ属の落葉樹で、花も果実も楽しめるウメは、日本の気候風土によく順応して寒さや暑さ、病害虫にも比較的強く、人工授粉や摘果、袋かけなどの作業が必須ではなく、他の果樹に比べると手間がほとんどかからないので初心者でも比較的育てやすい果樹です。
青梅は、鮮度が命という話をしましたが、スーパーに売られているものよりも採りたての方が
実ウメの品種を選んで、ぜひとも鉢植えで育ててみて下さい。