今回は3月にやるべきイチゴ栽培の管理についてご紹介します。
5月に収穫できる実の花芽分化が3月に起きるため、3月の栽培の管理がイチゴの収穫を決めるとても大切な時期です。
イチゴを初めて育てる方、今年こそイチゴ栽培を成功させたいけれども何をどう管理すればいいか分からない方はぜひ参考にしてみて下さい。
3月にやるべき5つの管理方法
まず最初に、秋植えの苗で越冬させた場合、株の状態を確認して、古い葉を摘み取るのか、花を摘み取るのか、人工受粉をさせるのかを決めましょう。
春植え(3月からはじめる)の場合は、①は飛ばしても大丈夫です。
① 摘葉
秋植えをして越冬させた苗の場合、赤く色づいた葉や枯れ葉などの古い葉をそのままにしておくと、新しい葉に光が当たらず、それが原因で成長不良や病気になってしまうことがあり、古い葉にはアブラムシやハダニなどの害虫のすみかになってしまう場合があるので綺麗に掃除しましょう。
また、取り除いた葉を苗の近くに放っておくと、害虫の棲家になってしまう可能性があるのできちんと捨てましょう。
摘葉のやり方としては、手で葉を掴んで左右に揺すって取れるような古い葉を根本から取りましょう。
ハサミを使っても良いのですが、慣れていないと違う場所まで傷つけてしまう可能性がありますし、揺すっても取れないような健康的な葉まで切ってしまう心配がないので、手で行うことをオススメします。
② 追肥
この時期に最も重要とも言えるのが追肥です。
この時期の肥料で4~5月に収穫するいちごの大きさや甘さに関係してきます。
肥料は、化成肥料や発酵油かす、鶏糞などの有機肥料を適量与えましょう。
※有機肥料である鶏糞は匂いがあるため、取扱には注意が必要です。
家庭菜園に慣れている方は、野菜全般に使える化成肥料でも有機肥料でもそれぞれ効果があるので好みで選んで大丈夫です。
初めて育てる方は、イチゴの肥料というイチゴ専用の肥料を使うと間違いありません。
イチゴの追肥は、窒素、リン酸、カリウムのバランスが結構大切です。実のなる野菜にはリン酸が多めが大事といわれています。
また、肥料を与えすぎると、実にエグみや酸味が出たりするため、与えすぎにも注意しましょう。
追肥の時期は地域で異なります。例えば化成肥料等を使う場合は、西日本など暖かい地域は2月後半、東日本など寒い地域は3月後半くらい、それ以外の大体の地域は3月上旬くらいを目安にしましょう。
ただし、鶏糞などの有機肥料の場合は、早めにした方が効果が上がります。
頻度は1ヶ月に1度で大丈夫です。肥料によって用法用量が違うので説明書きをよく読んで使用して下さい。
化成肥料は、根本に集中して与えるのではなく、根は全体に広がっているため、まんべんなく撒くようにしましょう。
有機肥料は、臭いが気になるものが多いため、土の上に撒くよりも少しだけ溝を掘って土の中に埋めた方が臭いも軽減しますし、効果も出やすいです。
ただし、元気な根をブチブチと切るくらい深く溝は掘らないように気をつけましょう。
③ 水やり
3月になると暖かくなり、イチゴが必要とする水の量が増えてきます。そのため、土の表面が乾いたら水をあげるようにして下さい。
水をあげると水を通して肥料分を吸収できるため、イチゴがどんどん成長します。
④ 人工受粉
綿棒や手でも受粉は可能ですが、受粉が不十分だと奇形果になってしまうので、やわらかい筆や梵天で全体を撫でるようにしましょう。
※梵天は、耳かきの反対側についているフワフワしたのでも代用できます。
また、人工授粉は1回だけではなく、開花してからなるべく毎日することで、まんべんなく受粉でき、形の綺麗なイチゴができます。
実の形がおかしい場合はこの人工授粉がうまくいってない可能性が高いです。
また、イチゴの大きさは花の大きさに比例するため、人工授粉とは関係ないそうです。
⑤ 病害虫防除
気温が高くなると病害虫が発生しやすくなります。
病気では、うどんこ病や灰色かび病、炭疽病、萎黄病など、害虫では、アブラムシやハダニなどが厄介です。
手っ取り早く対処するなら農薬を使っても良いですが、多少収穫量が減っても安心安全に収穫できるのが家庭菜園の利点なので、できる限り病害虫を発見したらすぐに物理的に対処しましょう。
手に負えないくらい害虫が大量発生してしまったり、病気がひろがってしまったら花や緑の幅広い植物に使える殺虫殺菌剤を使いましょう。
害虫に対しては速効性と持続性(アブラムシで約1カ月)を実現、病原菌の侵入を防いで病気も防除する効果があります。
駆除方法(アブラムシ・ハダニ)
葉の裏によく見る小さな虫のアブラムシやハダニには、水を勢いよくかけたり、養生テープなどの弱い粘着テープなどでも簡単に取れます。
駆除方法(アザミウマ)
イチゴの花からウニョウニョと動く細長くて小さな虫のアザミウマには、息を吹きかけたり、花びらを揺すったりして振動を与えると出てくるので、手で取ってやっつけましょう。
このアザミウマを放置してしまうと、実が茶色く汚れてしまったり、皮がバリバリに割れたりと見た目が悪くなってしまうため、早めに対処しましょう。
対処方法(うどんこ病)
葉や実に白い粉のようなものがつくうどんこ病には、重曹を水に溶いたものをスプレーする方法や、有機栽培でも使えるカリグリーンという農薬を使うなどの方法があります。
対処方法(灰色かび病)
実に灰色のカビが生える灰色かび病は、実の収穫が遅れて過熟になってしまったり、実に傷がついた場合に発生しやすいため、過熟にならないように忘れずに収穫するようにしましょう。
また、カビが生えたものをそのままにしておくと、そこからカビの胞子が発生してカビが増殖してしまうので、見つけたら早めに取り除いて捨てましょう。
まとめ
3月にすべき5つの管理は、
・古い葉を摘葉する
・土の表面が乾いたら水やりをする
・1ヶ月に1度、追肥をする
・花が咲いたらまめに人工受粉をする
・病害虫予防に毎日観察する
以上です!
参考になりましたでしょうか。
興味を持っていただけたら、ぜひイチゴを育ててみて下さい。